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第2弾はCABメンバーの木村有太子からお送りします。
シミ、シワ、タルミなどの皮膚の老化現象を老徴と呼びます。これらの変化は20%は自然老化で起こるとされ、残りの80%は紫外線をはじめとする太陽光線で起こると言われ、「光老化」と呼ばれています。
1年中で紫外線量が最も多いのは7月ですが、11月でもその1/3程度、12月でも1/4程度は降り注いでいます。すなわち、冬でも紫外線フリーではないのです。紫外線の肌への害を予防する手段として最も大切なのはもちろん日焼け止め、サンスクリーン剤を塗ることです。夏場の紫外線を感じる季節はしっかりと日焼け止めを使用する方でも、冬場はあまり使用しないのではないでしょうか?でも冬でも紫外線の害は0ではないのです。スキーやスノーボードでは雪面からの照り返しで夏と変わらないくらいの紫外線を浴びてしまうことにもなります。日焼け止めは一年中使用するものと習慣づける必要があります。
紫外線には波長の長いA波とより短いB波があります。A波は表皮から真皮にまで到達してシワのもとになります。B波は表皮に作用して、真っ赤でヒリヒリする日焼けとシミの原因になります。日焼け止めにはSPFとPAという表示がありますが、A波を防ぐ機能を表すのがPA、B波を防ぐ機能を主として太陽光線全体で赤くなるのを防ぐ機能を表すのがSPFです。その詳しい意味については別の機会にお話しします。
順天堂大学医学部皮膚科 非常勤講師 木村有太子