横浜の反町で野村皮膚科医院を開業しています野村有子です。皮膚科一般を診ていますが、特にニキビやアトピー性皮膚炎の患者さんが大勢来られています。
今回は3回に分けて光老化とそれを予防するサンスクリーン剤についてお話しします。
皆さん、「光老化」という言葉を聞いたことがありますか?これは、太陽光線の影響で肌に起こる老化現象を言います。具体的には、シミ、シワ、タルミなどで「老徴」とも言われます。シミ、シワ、タルミなら分かるけど「光老化」という言葉は知らない方が多いかと思います。
川島 眞先生を始め皮膚科医有志が「光老化啓発プロジェクト」という運動を続けていますが、現在でも「光老化」という言葉を理解している人は20%を少し超えたくらいで、まだまだ十分に認知されていないそうです。
皆さんはこの機会にしっかりと認識してください。すなわち、シミ、シワ、タルミなどの肌の老化は20%が加齢による自然老化で、残りの80%は太陽光線の長期間にわたる暴露によるとされています。
この太陽光線による肌の障害には、老徴以外にも良性のイボや日光角化症や有棘細胞がんなどの皮膚がんまで含まれます。従って、「見た目は気にしないから平気」と言っている人も太陽光線に無防備でいると、時には命まで落とすことになる皮膚がんが生じてしまうこともありますので、しっかりと対策しなければなりません。
太陽光線には紫外線、可視光線、赤外線が含まれますが、その中で「光老化」の原因として最も重要なのは紫外線です。
しかし、最近になって可視光線によるシミや、赤外線、特に波長の短い方の近赤外線によるタルミや皮脂腺の増殖が知られるようになり、太陽光線全体に対して、無防備に当たることは避ける必要があると言われています。
次回から、その対策についてお話しします。
野村有子