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今回は、四国の愛媛から小田富美子が「未病肌」についてお話します。
「未病」という言葉を聞かれた方もいらっしゃると思いますが、これは人は100%健康である人と100%病気である人に分けられるのではなく、むしろ大多数はそのいずれでもないグレーゾーンの状況にあるという考えから来ています。
つまり、健康か、病気かにきっちりと分けられるものではないということです。私はこの考え方は皮膚にも通じると考え、「未病肌」を提唱しました。未病肌の意味するところは、皮膚科での治療が必要となる疾患肌と完璧にきれいな健康肌の中間にある肌ということです。
例えば、わずかに乾燥しているけどひどくカサカサはしていないし、痒みも赤みもない肌は、確かに皮膚科を受診するほどではありません。また、見た目は全く健康な肌なのに、化粧品がしみたり、合わなかったりするいわゆる敏感肌も病気とは言えませんが、健康とも言い切れません。
このような皮膚状態に、乾燥寒冷、高温高湿などの季節変化、ストレス、疲労、花粉の刺激などがきっかけとして加わり、症状が悪化して皮膚科での治療が必要なひどい乾燥肌、湿疹、ニキビ、吹き出物などに進展します。
このように疾患肌に進行してしまう恐れのある皮膚状態を「未病肌」ととらえて、普段からスキンケアを大切にして、「未病肌」が揺らぐ原因を遠ざける努力を続けることが必要です。
そのスキンケアの基本は正しい洗浄と保湿にあると思います。具体的な方法は別の機会にお話しします。
小田ひ尿器科・ふみこ皮フ科 小田富美子